はじめに
さて、今回は中級編の第2弾となります。
初級編でも書いたMMXMを実践的に使うための記事となります。
なぜ“MMXM構造”は中級者の壁なのか?
価格はランダムに動いているわけではなく、誰かを騙したあとに本命方向へ走る構造があります。
それがMMXM(Market Maker Buy/Sell Model)です。
初心者の頃は「高値を抜けたら買い」と教わりますが、MMXMではその逆を狙います。
今回の記事では、実践レベルでの判断基準と戦略構築法を初級編で得た知識を組み合わせて解説していきます。
では、早速……。
MMXMのおさらい
まずはMMXMの特徴を軽くおさらいしておきます。
- ✅ Buy Model:下を狩ってから上昇
- ✅ Sell Model:上を狩ってから下落
- ✅ 狙われるのはEQH/EQL・目立つ高安
- ✅ 重要な構成:LQ → CHoCH → OB or FVG → BoS
このような特徴があります。
流動性を狩った後にCHoCHがあり、FVGやOBまで戻してから反転、BoSを確認でトレンド転換と捉えます。
この基本構造は変わりません。
では、ここから掘り下げていきます。
中級者が学ぶべき「MMXMの深堀り5原則
① 構造を見るだけでなく“流れの順番”を追う
✏️ 具体例:
- 「BOSが出たから上昇だ!」ではなく、「先にBOSが出たのか?それともCHoCHが先か?」をチェックします。
- BOSが出たあとに流動性を刈る動きが来たなら、Trapの可能性も高くなります。
- CHoCHのあとにFVGが形成されたか → そこへ価格が戻ってきたか?という“流れの順番”が重要となります。
📌 解釈のポイント:
チャートを静止画で見るのではなく、連続する時間のストーリーとして読む力が問われます。
② セッション構造の意識(例:ロンドンで狩ってNYで走る)
✏️ 具体例:
- ロンドン初動で目立つ安値を一瞬だけ抜く(Fake)
- そのあとNYオープン前後にCHoCHが発生 → 本命方向へ爆発
- これが典型的な「流動性狩り → 流れ反転」の時間構造です。
📌 解釈のポイント:
「どこで動いたか?」よりも「いつ動いたか?」が重要となります。
→ 同じ構造でもアジア時間では無効、NYセッションなら有効というケースもあるので注意してください。
③ SMT Divergenceによる“罠の片方だけ更新”を見る
✏️ 具体例:
- EURUSDが高値を更新したのに、GBPUSDは更新していない→ EUR側の動きがフェイクの可能性大(Trap)です。
- BTCが高値更新、ETHはそのまま→ BTCが罠、ETHが本命となります。
📌 解釈のポイント:
複数の相関ペアを並行観察する癖をつけてください。
→ SMTダイバージェンスは常に表示して意識することが大事です。
④ HuntとConfirmを分けて考える(=THCとの接続)
✏️ 具体例:
- EQH/EQLをブレイク → これは「Hunt(狩り)」フェーズ
- そこからCHoCHやBOSが出るまではまだ「様子見」→ Confirmが出て初めて“入っていい”状態になります。
📌 解釈のポイント:
- 「LQを狩ったからロング」は危険です。
- 必ず**“狩ったあとに何が出たか”を確認する**→ THCのHunt → Confirmのステップと対応づけるとシナリオが明快になります。
⑤ MMXMは「パターン」ではなく「シナリオ」
✏️ 具体例:
- EQHを狩って→CHoCH→FVG→ロング、というパターンはあくまで“結果です。
- 実際には、その裏に「HTFがPo3構造だった」「週のリクイディティを狙っていた」「London fakeだった」など背景の物語=シナリオがあります。
📌 解釈のポイント:
- パターン=形
- シナリオ=意味づけ+環境分析+市場参加者の心理
中級者はチャートに「意味」を与えられるようになることが目標です。
🔚 総まとめ:
中級者レベルでは「形」だけではなく「前後の文脈」「セッションごとの流れ」「他銘柄との整合性」など、トレードの前に理解しておくべき情報の層が増えていきます。
それこそが「再現性あるトレード戦略=MMXM実戦モデル」の本質です。
実践的なMMXM構築例
ではまずは画像から。
実際のチャートではなくAIに作成してもらいましたので、少々おかしな所もありますが中級編まできている方なら理解できると思っていますので勘弁してください。

では、画像の解説をしていきます。
① HTFでPo3構造
(HTF: 1H〜4H、または日足)
🔍 何を見る?
- HTFで「上昇 → 高値圏での横ばい → 急騰」の形があるか?
- 特に高値圏でのFakeブレイク後に急反転しそうな箇所を見ていきます。
📘 具体例:
- 週明け上昇トレンド → 水曜に高値を急ブレイク(Manipulation)
- その直後に長い上ヒゲ → Expansionではなく「反転」
- HTFではCRT+TSの構造になっていることもあります。
🧠 なぜ重要?
- 「Po3のManipulationゾーン」こそ、MMXM Sellモデルの“罠の始点”です。
- 上昇しているから買うのではなく、「上昇の裏で狩ってる」ことを察知してください。
② LTFでEQH(Equal Highs)+Fakeブレイク(=流動性狩り)
🔍 何を見る?
- 5分〜15分足で同じ価格帯に高値が複数回当たっている(EQH)場所を見つけます。
- セッションオープン(例:NY)で一気にその高値を抜く動きを確認します。
📘 具体例:
- NYオープンでBTCが直近3つの高値を数pipsだけ上抜けて急反転
- 同時にETHや他ペアは更新しない(=Divergence)
🧠 なぜ重要?
- EQH → Buy-side Liquidity(ストップロス溜まり)
- それをFakeで抜いて急反転 → 「Trap」が成立となります。
③ SMT Divergence+CHoCH(構造転換)
🔍 何を見る?
- BTCが高値更新 → ETHが更新せず → SMT Divergence
- その直後にLTF(5分)でCHoCH:高値→安値の構造転換を確認します。
📘 具体例:
- 高値更新後、次のローソクで一気に下落
- 直近の押し安値を割るCHoCH発生 → 構造反転のサインとなります。
🧠 なぜ重要?
- SMT Divergenceは、「片方だけが騙された」証拠です。
- CHoCHは、価格が本格的に「下に行く準備が整った」ことを示します。
④ FVG / OBゾーンへリトレース → 弱気反応
🔍 何を見る?
- CHoCH後、**価格が戻ってくるゾーン(FVGやOB)**を探します。
- そのゾーン内で陰線・ピンバー・リジェクトなどのプライスアクションを確認します。
📘 具体例:
- 15分足でFVGに戻ったところで上ヒゲピンバー+出来高急減
- OB内で長い陰線出現 → Confirmサインとなります。
🧠 なぜ重要?
- 単に「戻ってきた」だけでは不十分です。
- “OB or FVGでの反応”がSmart Moneyの再参入ポイントとなります。
⑤ BOS発生 → 本命Sellエントリー
🔍 何を見る?
- CHoCH後の“次の構造的安値”を明確にブレイク(BOS)
- BOS確定後、リトレースが入るならそこでSellエントリーを構築します。
📘 具体例:
- CHoCH後の小さな調整高値で新たなOBを発見します。
- BOS発生 → OBリテストでSellエントリー
- TPはSell-side Liquidity or 固定R(2R以上で設定)
🧠 なぜ重要?
- BOSが出ていないと、「下げるかも」レベルでしかありません。
- BOS = 「市場全体が“下方向”と判断した瞬間」となります。

中級者のためのMMXMチェックリスト
ここまで解説してきたように一貫性のあるトレードのためには様々なことをチェックしなければいけません。
チャートを見て感覚的に出来るようになればよいのですが、最初のうちは実際にチェックするには大変だと思います。
そこでチェックリストを貼りますので、エントリー前に確認するようにしてみてください。
Huntフェーズ

Confirmフェーズ

Structureフェーズ

チェックリスト

このチェックを満たさない場合、「見送り」も立派な戦略です。
全部揃ったときだけ仕掛けるというフィルターが、中級者の勝率とR倍数を支えます。
よくある失敗と改善
❌「CHoCHが出たからすぐ入る」
→ 改善策:FVGやOBへの戻りを待ちましょう。
🔍 問題点:
CHoCH(Change of Character)はあくまで“構造が変わり始めた”サインであり、トレンドの本格転換とは限りません。
ここで即エントリーすると、「戻しが深く入ってFVGやOBに触れてから本命方向に動く」場面で狩られてしまうリスクが高くなります。
✅ 解決法:
- CHoCH後のFVG出現を確認します。
- 価格がそのFVGにリトレースし、ローソク足レベルでリジェクトが出るまで待ちましょう。
- エントリーはConfirmのあとでOK(=“入り遅れても勝てる構造”)です。
❌「LQを狩った=即反転」
→ 改善策:BOS(構造確定)を待ちましょう。
🔍 問題点:
“ストップを刈ったから反転するだろう”という思い込みは危険です。
LQ(Liquidity)を刈ったあと、そのままトレンド継続することも多く、**「狩るだけ狩って爆走」**が罠となります。
✅ 解決法:
- LQブレイク → 価格反転の兆し(CHoCH) → BOS確定
- この**「3段階確認」**を満たしたら初めて構造反転と認定します。
- 特にNYセッションなどでは、“LQ狩りだけ”のフェイクが頻発しますので注意してください。
❌「MMXMは万能」
→ 改善策:セッション×時間帯でのフィルタリングを徹底します。
🔍 問題点:
MMXMは強力なシナリオモデルだが、時間帯によって精度は天と地の差です。
アジア時間の動きでMMXMを探そうとする → フェイクやノイズに巻き込まれやすくなります。
✅ 解決法:
- ロンドン初動:狩りが発生しやすいです。
- NY前後:Confirm・BOSが出やすくなります。
- アジア時間は「動かない時間」→“環境観察専用”にしましょう。
📘 補足:
Po3やSMTの精度もセッション構造が合っているときに最大化されます。
まとめと今後の応用展開
🔹 MMXMは「Smart Moneyの仕掛け順」を読むもの
📌 再確認ポイント:
- ただの「パターン認識」ではなく、「誰が・いつ・なぜその価格帯を狙ったか」を読むものです。
- 流動性 → 罠(Fake)→ 構造転換 → 本命方向
- “Smart Moneyがどうポジションを構築しているか”を逆算するのが核心です。
🔹 THCやPo3、CRT+TSとの連携で精度が倍増する

一発のMMXMを狙うのではなく、「Po3のManipulation中にMMXMのHuntが起きて、TSでフェイクが発覚、THCで確定」など複数モデルを重ねることで精度と再現性を上げていきます。
さいごに
今回はMMXMを掘り下げた記事となりましたが、初級編で学んだことを複合的に見ることで点と点を繋げていく感じを書きたいと思っていました。
初級編の理解が足りないとなかなか難しいかもしれませんが、1つずつゆっくりで構いませんので理解を深めてください。
先程も書きましたが、パターンを覚えるのではなく、
誰が・いつ・なぜその価格帯を狙ったか?
なぜそのような値動きになったのか?
を考えるとシナリオ作りの役に立つと思います。
では、今回も最後までおつきあいいただきありがとうございました。
ごきげんよう( ´ ▽ ` )ノ
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