はじめに
私がSMCを学び始めたのは3年前の2023年の夏頃だったと思います。
有料のdiscordに入ったり、テキストやICTの動画を(AIが普及していなかったので)DeepLで翻訳して学んだ記憶があります。
その後も学んでいたつもりですが、3年も前に学んだことと現在では新しい考え方や手法も増えています。
今回のブログを書くにあたってBlitzModelを新たに勉強しました。
英語ができないので解釈に間違っている所はあるかもしれませんが、自分なりに理解したものを書いていきます。
では、早速…。
なぜ、統合戦略が必要なのか?
DailyBias、SLSR、BlitzModelの1つ1つだけでも戦略としては充分です。
今日は上?下?で迷う(目線がブレる)
騙しに振り回される(ツッコミポジション)
乗れたのに、指をくわえて見ていた(エントリー根拠不足)
こんな悩みを抱えている人に必要なのが、
Daily Bias(方向性) + SLSR(構造) + Blitz(加速足)
この“3ステップの統合戦略”です。
DailyBiasで方向性を決定し、SLSRで構造を確認、Blitzでエントリータイミングを捉える。
といった流れを作ることにより、低リスク高リワードのセットアップを行うことができます。
では1つずつ解説していきます。
まずは“Daily Bias”で方向性を読む
✅ 「Bias=バイアス」とは?
トレードにおける「Daily Bias(デイリーバイアス)」とは、
「今日の価格はどちらに向かって動きやすいか?」という予測方向性のことです。
これは感覚や勘ではなく、チャート構造・前日の動き・時間帯の特徴などに基づいて、「買い目線」「売り目線」「ノートレンド(様子見)」の3つのうちから判断します。
🔍 なぜBiasが必要か?
1. 方向がわかれば無駄な反転を狙わずに済む
2. 戦略(BlitzやSLSR)の条件が整っているかを事前に確認できる
3. 利確・損切り位置もより明確になる
たとえば「今日はBuy Bias」と判断できれば、その日は「戻り買い」だけに集中し、売りのサインは全て無視できます。
🔎 Bias判断の5ステップ
① HTFのPremium/Discountゾーンを確認
日足や4時間足チャートで、現在の価格が割高(Premium)か、割安(Discount)かを確認します。
Smart Money(機関投資家)は、割高では売り、割安では買う傾向があります。
Premium/Discountの判断としては4Hや日足での直近高値/安値でレンジを確認します。
そのゾーンの50%より上ならPremium、下ならDiscountです。
レンジを特定してフィボナッチを使うとよりわかりやすくなります。
Premium価格なら売り場探し、Discount価格なら買場探しとなります。
価格帯を区切って見て、「どちらがリスクが低いか」を考えるのがポイントです。
② 前日の高値 or 安値がSweepされたか?
ローソク足は基本的には前の足の高値/安値のどちらかを更新します。
終値が高値/安値どちらも更新したり、どちらも更新しない場合は市場が均衡状態にあると考えます。
前日の高値/安値が更新されている場合、例えば日足がPDHを更新しているならその日の日足はPDHの上が終値となりやすいです。
しかし、高値/安値を更新してSweepしている場合はCRTとなり1HなどのLTFでTSなどの流動性を狩った動きがないか確認します。
CRT+TSならトレンド転換の可能性を考えてください。
理想的なのは前日の日足が陽線で、現在の足がPDLの更新に失敗している状態などです。
この場合、価格はPDHの更新に向けて動きますのでBuybiasとなります。
現在の価格がPDL、PDHのどちらを目指しているのかがポイントとなります。
③OBやFVGの位置関係
HTFで重要なOBやFVGが近くにある場合、価格はその流動性を取りに行く傾向にあります。
HTFでIRLを取りに行く動きなのか?IRLから反転してERLを取りに行く動きなのか?
を判断します。
もちろん理想はIRL反転からのERLを取りに行く動きに追従することですが、今回は短い時間で大きな動きを取る戦略となるため現在どちらに向かっているのか?を重視してください。
④ BOS / CHoCH の方向を確認
LTFに戻してBoS/CHoCHの確認をします。
HRLRなどでトレンド方向がわからない(定まっていない)場合はBiasは確認できませんが、最後にCHoCHしている方向が最終的にBiasを判断する際のヒントになります。
⑤SMT Divergenceの確認
SMT Divergenceが確認できる場合は、本命の方向性を特定しやすくなりますので必ず確認するようにしてください。
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DailyBiasをロンドン開始前に確認して、方向性、シナリオ、見るべき構造を固めることが最初のStepとなります。
ここを間違えるとエントリーチャンスがなくなります。
DailyBiasがその日のトレードを制すと言っても良いくらい重要になります。
ただ、統合戦略ではSLSRで構造確認をするため、間違った方向へのエントリーで資金を減らすことは非常に少なくなります。
SLSRとは?セッションを使った“狩りと反転”の概念
SLSRとは?
SLSRは、Session Liquidity Sweep & Reversal(セッション内の流動性狩りと反転)の略です。
まず、各セッション(アジア、ロンドン、ニューヨーク)ごとに独立したものと考えます。
その後、アジアで組んたレンジをFakeBreakして流動性を取りに行く“動き”が起き、そのあとに”本当の方向”へ反転する というSmart Moneyの動き方を指します。
SLSRは以下の3Stepでおこなわれます。

では、なぜSessionを使うのか?
市場は主に3つのセッションで構成されています。
例として、画像に一般的に言われていることを書きます。

実際にはアジアで大きく動いた場合はロンドンでレンジならNYでSweepしてから全戻し。
とか、アジアもロンドンも大きく動いた場合は流動性が狩られているのでNYは追従しやすいなどいろいろあるわけですが、そのあたりはまた別の機会にお話します。
と思いましたが、4パターンしかないので表にしました。
あくまでも参考程度に捉えてください。
大事なのはSessionごとに参加者も傾向もかわるということです。

基本的には、Smart Moneyはアジアやロンドンで“狩り、NYで“走らせるというのが定番パターンです。
実際のSLSRシナリオ(Buy Biasの場合)
1. アジアセッション:
• 前日安値付近でレンジ形成
• EQL(Equal Lows)ができる
• → このゾーンは「後で狩られる」流動性になる
2. ロンドンセッション:
• 一気に下に抜けてSell-side LiquidityをSweep
• → 一見すると「下目線」に見える(=フェイク)
3. 構造変化:
• Sweep後にCHoCH(構造変化)が起こる
• FVG / OBへのリトレースが入る
4. NYセッション:
• BOS発生 → 本命Buy方向へ加速(Blitz展開)
ポイントは「セッションの“役割”」を知ることです。
アジアやロンドンの動きからNYセッションの動きを予測する、シナリオを建てることができれば大丈夫です。
画像を貼ります。
画像ではAsiaHighをロンドンでSweepした後に本命方向へ進みます。
このSession変わりの爆発的な動きを捉えるのがBlitzとなりますが、まずはこの構造を理解してください。

Blitzモデルは、NYで“構造が完成済み”+“Fakeを経た真の方向”に爆発する場面を狙います。
例えば、
前日に強く上昇 → 翌日Asiaでレンジ → Londonで下抜け → NYで爆発的にBuy方向へBlitz
ロンドンの「下抜け」はFakeであり、それを見抜けた人だけがNYで“真の方向”に乗れることになります。
SLSRが使える場面をチェックリストとして貼ります。

まとめ:SLSRの強みとは?
単なる“高安ブレイク”ではなく、セッション構造の中での狩りを見抜く
Smart Moneyの「本気のエントリー」は、“騙し”の後に来る
Blitzモデルと組み合わせれば、“最速エントリー”も可能になる
次章では、BlitzモデルをこのSLSRの流れにどう重ねるか、具体的な時間帯・トリガー条件を含めて深掘りしていきます。
Blitzモデルとは?最速加速足に“乗り逃さない”戦略
Blitzモデルとは?
「Blitz(ブリッツ)」とは、
NYセッションで最も速く・大きく動く“1本の足”に狙いを絞った超短期トレード戦略です。
Smart MoneyがLondon〜NYの構造を仕掛け終わったあとに、NY Killzone(日本時間22:30~24:00)に現れる「爆発的な動き(ブレイク足)」を狙います。
🔥 なぜBlitz足に乗ると有利か?
• Stop狩り・構造作りがすでに終わっている
• “騙し”の反対方向に本気で走り始める
• 短時間でR:Rが大きい(2R〜4Rも狙える)
つまりBlitzモデルは、「最小の損失で、最大の加速に乗る」という“完成された環境”だけでトレードします。
ですが、Blitzモデルが成立するにはいくつかの前提条件がありますので、チェックリストとして貼ります。

ロンドンで構造が完成していればNYですぐに走ります。
しかし、アジアで大きく動いた→ロンドンでレンジなどの流れであればNYでSweepする必要があります。
時間帯はNYの午後に大きく動く傾向にあります。
BlitzのBuyモデル:シナリオ例(XAUUSD)
- HTF(4H)でDiscountに位置
- アジアでEQL(Equal Lows)が形成 → ロンドンで下抜け(Sweep)
- CHoCH(NY開始前)で構造変化確認
- BOS → Killzoneで急騰(FVG無視)
- Blitz Buy成立 → 高速で2R達成
このようなな感じです。
では、Blitzモデルにはいくつか注意点がありますので書いていきます。
Blitzモデルでは押し目(戻り)を待ちません。
Bosを確認したら即エントリーです。
そのため、SLがら遠くなる傾向にあります(直近High/LowがSL)。
また、乗り遅れてしまうと価格が走るのが早いためにエントリーできなくなってしまいます。
以下に画像で注意点と対策をまとめました。

まとめ
Blitzモデルは、「その日、最も効率よく乗れるたった1回のエントリー」を狙うための戦略です。
SLSRやDaily Biasと組み合わせることで、”高確率かつ高速エントリー”が可能になり、感情のないルールベースの実践ができるようになります。
Blitzモデルの強みとして
時間が決まっていて監視しやすい
条件が揃っていない日はトレードを避けやすい
利益幅が明確(2R, 3RでTP)でリスク管理がしやすい
などがあります。
Blitzモデル単体でも強力ですが、SLSR、DailyBiasと組み合わせることで勝率・再現性が一気に跳ね上がります。
3つのモデルを統合することにより何が起きるか?
なぜ“統合”が必要なのか?
単体の戦略は強力ですが、1つのシグナルや現象に頼ると “騙し”や“例外”に振り回される危険性 があります。
しかし…
「方向性(Daily Bias) × 構造(SLSR) × タイミング(Blitz)」
この3つを同時に満たしたとき、Smart Moneyが仕掛けた“本物のトレードチャンス” を捉えることができます。
戦略の役割と重なり方

この3つが「順番どおりに展開」したとき、
最小の損切りで最大のリターンが得られる確率が最も高まります。
実際のシナリオ構成例(Buy戦略)
Step 1:Biasで“方向性”を確認
HTFがDiscountゾーン
前日安値をAsiaでSweep済み
SMT DivergenceもBuy優位
⇒今日はBuy Bias
Step 2:SLSRで“Fakeと構造”を読む
LondonセッションでSell-side Liquidity(Asia安値)をSweep
直後にCHoCH発生 → Structure Change
NY前にFVGにリトレース
⇒LondonはFakeで、NYでBuyに走る構造
Step 3:Blitzで“最速加速足”に乗る
NY Killzone内でBOS発生
FVG戻りなしで発射(=Blitz条件)
スプレッド狭く、エントリーもリスクリワード良好
⇒Blitz足に乗って、2R〜3R達成
統合によって得られる“3つの安心感”

トレードが“シナリオ化”されることで変わること
戦略を統合すると、トレードが次のように変わります。

では、3戦略統合のチェックリストです。

📌 まとめ:3つを重ねることで“環境認識 × 精密エントリー”が完成する
• Bias → 「今日は買うのか?売るのか?」
• SLSR → 「その前に誰かが狩られていないか?」
• Blitz → 「最小損失で最大の流れに今すぐ乗れるか?」
これらが揃うと、
「“Smart Moneyが仕掛けてきた軌道”に飛び乗るようなトレード」ができるようになります。
まとめ
単体より統合で精度UPです。
DailyBiasで方向性を定めて、SLSRは“仕掛けの準備”、Blitzは“乗るタイミング”として使います。
トレードにおいて「知っていること」は「使える」こととイコールではありません。
今回の戦略は、“構造 → 統合 → 実行”のプロセスで、初心者でもステップバイステップで再現可能なように書いたつもりです。
ぜひあなた自身のチャートで、この統合戦略を検証、練習してみてください。
さいごに
もう少し補足したいことはあるのですが、細かくすると終わらないので今回はこの辺で勘弁してください。
さきほども書きましたが、「知っていること」と「使えること」は全く違います。
検証や改善をしていくうちに、自分のものとなり使えるようになります。
ブログを読んで覚えた”つもり”にならないでください。
では、今回も最後までおつきあいいただきありがとうございました。
ごきげんよう( ´ ▽ ` )ノ🍄
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